■茂田井武画集 1946→1948日本の絵本

茂田井武画集 1946→1948 茂田井武画集編集員会編 JULA出版局 1991年 第1刷 1万8000円
A− 付録 別冊 函+配送用の筒函 当時の定価2万円+消費税

「無人島に本を何かひとつ持っていくとしたら・・・?」
使い古されたような質問ですみませんが、海ねこは、この本を選びます。
あー、セットものなので、セットごと持っていってもいいですかねー・・・。

当時の編集担当が大変ご苦心のすえに作り上げたそうです。
オリジナルの茂田井の古書とはまた別の、ディープな茂田井ワールドが深く広がっています。
茂田井武が素晴らしいのは勿論のこと、編集・販売に本気でかかわったすべての方が素晴らしいと思います。
こういったものは誰かが思いついて企画したとしても、完成までなかなかこぎつけずに頓挫することが多いでしょう。
投げ出さずに、なんとか作り上げた人人の情熱・労力に、海ねこは敬意を表したい。
まさに「愛蔵版」! ずっと先の時代まで読み継がれていくべき画集だと思います。

■■セット内容
●茂田井武士画集 1946→1948  (30センチ×24センチ 320ページほどもある大判です)
アサノドウブツヱン
幼年画集
お父さんの童話館
カラーで印刷された作品

1 きつねのおつかい
幼年童話 きつねのおつかい/新美南吉幼年童話集(新美南吉著)
2 あたらしい船
あたらしい船/幼年童話文庫 あたしの人形/ミスター・サルトビ
鶴と写真機(平塚武二著)/ひろすけ童話選集1/廣介童話十二選ある島のきつね(浜田廣介著)
3 こども雑誌
こども雑誌/金と銀/少年少女雑誌 銀河/子供の廣場/赤とんぼ
4 海のなかの歌
海のなかの歌(與田準一著)/みずうみの少年(関英雄)/童話集・ひばりの卵(村の四郎著)
日本童話選 桃の實(坪田譲治著)/少年小説集 すこし昔のはなし(國分一太郎著)
たましいは生きている(小川未明著)/カッパの國(小林純一著)/日本児童文学選1(児童文学者協会編)一つぶのたね(少年新ロマン派編)

はたらくコドモタチ
巴里の子供

5 おさるのしゃしんや 幼年童話集 さるまねべんちゃん(奈街三郎著)
幼年童話選 ねずみの町(児童文学者協会編)/おさるのしゃしんや(奈街三郎著)
6 こどもペン
こどもペン/子どもの村/少國民世界/少年少女雑誌 金と銀/幼年クラブ/幼年ブック
光の子供/家庭ヱホン/小学二年生
7 ろばが二どないた話
ヱバナシ フシギナコドモタチ/夢のおくにの女王さま(マミン・シィビルヤク原作 ロッシィ・秀子訳)
家の光 少年少女文庫 孤島に生きるロビンソン(南洋一郎著)
ガリバー十六年七か月の旅(筒井敬介著)
少年探偵エミイル(エイリッヒ・ケストナー原作)
源太の冒険(吉田甲子太郎著)
童話 ろばが二どないた話(塚原健二郎著)

目録
書誌、原本に掲載されていた寸法、原本に掲載されていたページ数、刷り色など、詳細なデータ。
この目録だけをとっても”労作”というしかありません。

●付録 こどものまど せかいめぐり大すごろく

*この画集は、一九四六年から一九四八年の三年間に、茂田井武が子供たちのために描き、
当時出版された児童書(単行本や雑誌)に掲載された作品を、できるかぎり収録しようとしたものである。
*作品の多くは児童書のさし絵やカットなどであり、それ以外に、発行されなかった本の画稿、
あるいは発行の意図なく描かれた作品(手作りの絵本、画帳、物語の絵など)も可能なかぎり収録した。
*作品は、できるだけ取捨選択せずに、小さなカット一つでも収録し、
この時期の茂田井武の子供向けの仕事の保存と再公開を意図した。
*さし絵やカットなどの作品は、原画の失われているものが多い。
原画の現存するものは、できるかぎり原画を原稿としたが、それ以外は印刷物を複写して原稿とした。
複写に耐えない印刷物、描き版による製版のため、原画と著しく異なると推定される作品は割愛した。
*作品は、掲載された単行本・雑誌ごとにまとめ、それらを七つの章にわけ、
各章の代表的な書名をそのまま章のタイトルにした。
(目次「凡用」より)

「四年余りの年月をかけて、わたしたちは『茂田井武画集1946→1948』を、深い感慨をもって世に送る。
ごらんの通り、みずから「版下細工」と称した稀有のさし絵画家・茂田井武の、
その画業の開花期にあたる三年間の作品を網羅した、けた外れの本である。
わたしたちは、モッコを担いでピラミッドを築いていく、そんな恰好でこの本の制作に挑んだ。
二千点のさし絵の大部分は、質の悪い仙花紙に粗悪なインクで刷られたものだ。
これをとにかく保存できる形にしたい。その願いを込めて、一枚一枚を写真に撮り、印画紙に焼き、細かい点を補正していく、そんな作業からはじまった。
どうしても必要な作品は、縁故に尋ねて徹底的に探した。大勢の方から協力を得て、激励の言葉もたくさんいただいた。
新資料の発見で、大幅に作品の順序を変えたこともある。
この本の成立には、三人の人の深い思い入れと、並々ならぬ努力があったことを特記しておきたい。
(海ねこ注 茂田井武の娘・後藤暦さん、山口卓三さん、編集を担当した大村祐子さんの名前があげられています)
(中略)
わたしはこの本を、十人の若い仲間たちと営む小さな出版社で、
四年余りかけて作ったことに、誇りとよろこびを覚える。これが出版冥利であろうか。」
JULA出版局長 和田義臣

●別冊 長編マンガ物語 三百六十五日の珍しい旅行 復刻本
●別冊 星と夢の万華鏡ふたたび〔解説・年譜・書誌〕
茂田井年譜/作品・書誌(編/山口卓三)が資料価値抜群です。
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